生産者さんインタビュー:道の駅つるを陰から支える 農業へのまっすぐな心意気(小林紀江さん:後編)
「都留文科大学」の学生さんのご協力のもと2022年よりスタートした、道の駅つるの生産者さま方へのインタビュー企画。
今回は、第三回目(小林紀江さんへのインタビュー)の後編です。
後編では、小林さんがちぢみほうれん草などお野菜の生産の傍らで作っていらっしゃる「加工品」にフォーカスを当ててご紹介していきます。
目次
加工品の生産にかかる苦労
梅干し、たくあん、白菜の漬物、ゆず大根を作られているという小林さん。
ちぢみほうれん草のお話を畑と洗い場で伺ったあとは、普段漬物を寝かせているという漬物倉庫に案内していただきました。
–漬物はどのように作っているのですか?
「この大きな容器の中に野菜と調味料を入れて、重石を乗せて作っているんだよ。」 |
–お一人で扱うには重そうな石ですね。。。
「手伝ってもらう時もあるけれど、ほとんどは一人でやっているよ。重石が重くて、この前自分一人で運ぼうとしたら足の上に落としてしまったんだ。無理はするものじゃないね。大ケガで大変だったよ。」 |
取材陣一同、身の毛がよだつようなお話で、そんなお話でも闊達にお話しくださる小林さんの逞しさにも驚きました。おっしゃる通り無理はなさらず、怪我には十分注意していただきたいですね。
その後、小林さんのご自宅に併設した、加工場を見学させていただきました。
手作りの梅干し
小林さん宅には、キッチンと分けて併設してある加工場がありました。まず、梅干しをつけているという樽を見せていただきました。
–こんなに多くの量を一気に漬けられているんですね。
「そうだよ。着色料なんか使わず、天然のしその実を一緒に漬けているから綺麗な赤色になるんだよ。食べてみる?」 |
ご厚意で、梅干しを食べさせていただきました。
小林さんの梅干しは、1粒が大きいのが第一の特徴。お味は、酸っぱすぎない酸味と、食べやすくほどよい甘さがあって、もう一粒手に取りたくなるような味でした。ご飯と一緒に、などではなくそのまま食べても美味しい梅干しでした。
小林さんご自慢の「ゆず大根」
その後、大根をきざんだゆずといっしょに漬けた「ゆず大根」についてのお話を伺いました。
–ゆず大根を作るときのポイントはありますか?
「ゆずの量を多めにするようにしているね。大根の白だけより、黄色が入っているだけで鮮やかに見えるし、その方が買いたくなるでしょう?」 |
–販売面でも気を配られているのですね。他にもこだわっていることがあるのですか?
「加工品は長く日持ちをすると思われがちだけど、早く食べないと酸っぱくなってしまって悪くなってしまうんだよ。やっぱり、野菜もお漬物も常に美味しい状態で食べてもらいたいと思ってるからね。」 |
その後、持ち帰り用として梅干しとゆず大根を取材陣全員にそれぞれくださいました。筆者はゆず大根を家に帰っていただきましたが、大根のシャキシャキとした食感と、多めに入っているさっぱりとしたゆずの風味が際立ち、「くせになる」美味しさでした。ちょっと小腹が空いた時にも、手軽に美味しく野菜が食べられるのでオススメです!
–先ほどお漬物などの作り方を見せていただきましたが、作る上で大変なことはなんですか?
「加工品は原材料だけでなく調味料のコストもかかるし、なにより野菜の収穫後に余分に労力がかかるからね。なかなか楽な仕事ではないよ。洗い場なんかは、市の補助金も使わせてもらって設置したよ。」 |
–お野菜も加工品も、小林さんお一人でやられているんですよね。改めて感心します。
「そうだよ。基本的には1人でやっているよ。今は元気にやっているけれど、これからの継ぎ手がいないのも悩みだね。若い農家さんが徐々に増えてきたみたいだから、少しずつでもいいから都留の農業がもっと元気になっていけばいいなと思っているよ。」 |
前編、後編と小林さんの人柄や農業にかける思い、また作られている加工品についてご紹介してきました。この記事を通して、ちぢみほうれん草や加工品の美味しさをもっと知っていただくきっかけになればと思います。
パワフルに、笑顔で、毎日農業に励まれている小林さん。今回の取材で、そんな小林さんの魅力に触れることができて取材陣一同も嬉しく思います。取材させていただいたこちらまで元気をいただきました。
小林さん、ありがとうございました!ぜひみなさま、道の駅つるにお越しいただき、お野菜や加工品をお求めくださいね。
小林さんの新しい挑戦「葉ごぼう」の栽培
前向きに、ご自身なりの熱意を強く持って農業や加工品の生産に取り組む小林さん、2022年初頭より新たに「葉ごぼう」というお野菜の生産に力を入れていらっしゃるそうです。
山梨を含む関東以北のエリアではあまり聞き馴染みのない、珍しいお野菜だそうで、「主婦の方なども少し手が伸ばしづらいのではないか」と小林さんもご心配だそうです。
「道の駅つる」の担当者さんによる記事で「葉ごぼう」の味の特徴や出荷情報、レシピも掲載しておりますので、是非そちらもご参考くださいね。(以下添付)
- とても役に立った! ()
- 参考になった ()
- もう少し詳しく知りたい ()
この記事を書いた人
道の駅つるからのお知らせ
- 『道の駅つるオリジナル顔出しパネル』設置しました
- 2024/09/14
- 富士の介のだし茶漬けはじめました!
- 2024/09/09