生産者さんインタビュー:道の駅つる生産者組合の組合長が持つ農業への思い(清水一夫さん:前編)
2022年からの新しい試みとして、道の駅つるへお野菜や加工品を出荷してくださっている生産者さま方へのインタビューをさせていただき、その内容を「都留文科大学」の学生さんたちのご協力のもと記事にして紹介させていただくことになりました!
第一回目は、道の駅つる生産者組合の組合長、清水一夫(しみずかずお)さんです。
清水一夫さんのプロフィール
清水一夫(しみずかずお)さんは都留市で生まれ育ち、これまでずっと都留市の農業に携わってくださっています。
道の駅つる生産者組合の組合長という責任のあるお役職もなさっていて、堅実で、挑戦心に溢れるお人柄をお持ちです。
道の駅つるには、ほとんど毎日お野菜を出荷いただいており、昨今のコロナ禍では生産者組合の組合長として、出荷品に関するルールの整備や維持にもご尽力いただいています。
清水さんのご経歴をインタビュー形式でお尋ねしました。道の駅つるに出荷いただいているお野菜と、お野菜を作る過程でお持ちの思いについてもご紹介いたします。
目次
清水さんと農業
–いつから農業を始めたのですか?
「もう生まれた時からずっとだよ。家が養蚕農家だった。この辺は織物が盛んだったから、それの原料となる桑を育てて養蚕をしている家がたくさんあってね。織物といっしょに野菜も作ってた。自分たちで食べる分は自分たちで作るのがあたりまえ。もう農業はずっと生活の中にあたりまえにあったんだよ。」 |
※お野菜についての考えや、農業全体について真剣にお話しくださいました。
–都留市との関わりは?
「生まれも育ちも都留市。いっとき農業指導で北杜市にいたこともあるけど、その後は都留市役所の中で農業指導をしてきたんだよ。今まで野菜は自分たちで食べる分しか作ってこなかったけれど、5年前に「道の駅つる」ができたことをきっかけに、様々な品種の野菜を育て始めたんだよ。今は年間を通してお米、冬には里芋と白菜を出荷しているよ。」 |
都留市との関わりも深い清水さん、様々な人との繋がりのなかで農業を楽しんでいらしゃいます。
清水一夫さんの温かいエピソード
「田んぼ作業は息子やそのお嫁さんにも手伝ってもらっててね。特に孫が農業にすごく興味持っててね。検定を取ろうとか、色々意気込んでるんだよ。だから色々手伝ってもらってる。」
「都留文科大学の学生と一緒に農業してたこともあるよ。サークル活動で来る学生に農業を教えててね。今でも卒業生から年賀状がきたり、これがきっかけになって今でも農業をしてるって話も聞くよ。」 |
※畑に行くと、収穫していなかったさつまいもをたくさん掘り出し、「持ってかえって」とお裾分けをくださいました。
※育てている立派なニワトリに、餌をあげる清水さん。
道の駅つるに出荷しているお野菜
–道の駅つるにはどんな野菜を出荷しているんですか?
そう尋ねると、おもむろに野菜の育て方についての資料と野菜の種の通販カタログを取り出しながら説明してくれる清水さん。
米
「お米は『コシヒカリ』が有名だけど、美味しい品種はそれだけじゃなくてね、うちは『てんこもり』っていう品種。病気にかかりにくいとか倒れにくいのが理由なんだけどね。」 |
お話を聞いていくと、丈夫な品種の理由が明らかに。
「コンバインではなく、バインダーで刈るんだよね。刈ったあと手作業で天日干ししていくのがちょっと大変だよ。」 |
天日干しで乾燥させたお米は甘みや旨み、硬さの加減が段違いに美味しく仕上がります。収穫したばかりでは20%もの水分を含むお米を、機械で大量にではなく、「手作業で」「じっくり時間をかけて」「天日干し」して乾燥することで、お米の組織を壊すことなく本来の味わい・ツヤ・香りが楽しめるのです。
里芋
今年はたくさん収穫できたから洗うのがたいへんだったと語る清水さん
「掘るのはいいんだけどね、洗うのに3時間かかるんだ。」 |
白菜
1000株ほどあるという白菜。通常では3kg程度だが、7kgの大物ができることもあるという。最近ではオレンジ白菜を作り始めたり、紫奏子(むらさきそうし)という紫色の白菜にもチャレンジしたそう。
清水さんの白菜は甘くて柔らかくて、どんな料理でも味が際立ちます。
カブ
育てる野菜の種類を増やすなかで、道の駅つるでお買い物をする人に好評で、売り上げに一役買ったのがカブ。
「最初は白いのだけだったんだけどね。黄カブと、「もものすけ」っていう、ピンクでほんのり桃の味がする品種を3色をセットで販売するように挑戦してみたんだ。これは結構評判がよかったね。」 |
「道の駅つる」への野菜の出荷をきっかけに、生活の一部であたりまえだった農業が、新しい野菜の栽培や人との出会いを通して「楽しく挑戦する」ものに変わったということを伝えてくれた清水さん。
インタビュー後編では、「道の駅つる」には出荷していない清水さんのお野菜や、都留市の農業の将来についても伺いました。後編もお楽しみに。
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