秋から冬にかけ軒下などで見かける干し柿はこの時期ならではの風物詩ですね。

今回ご紹介する「百目柿（ひゃくめがき）」は釣鐘形をした大ぶりの渋柿です。

この記事では、百目柿の特徴や、干し柿や焼酎漬けといった美味しい食べ方についてご紹介いたします。

食べ方①　干し柿

干し柿は誰でも1度は食べたことがあるのではないでしょうか？

食べたことがある方は、なぜあの甘さが生まれるのか不思議に思ったことがあるかもしれません。

実は、干し柿はもともと渋柿から作られています！

ではなぜ渋柿が甘い干し柿に変わるのか、その秘密を探ってみましょう！

• 渋柿の渋みの成分はなに？

渋柿の渋みの原因は「タンニン」という成分が渋さを感じさせています。

このタンニンは、口の中の水分とともに広がるため柿の甘みを感じることができないのです。

実は渋柿は甘柿よりも糖度が高いされています。

甘柿の糖度は約16度であるのに対し、渋柿は糖度が約20度もあるそうです。

しかし、渋柿にはタンニンが含まれているため、甘みよりも渋みを感じてしまうのです。

• なぜ干し柿にすると甘くなるのか！？

渋柿に含まれる渋み成分「タンニン」は、干して乾燥させることで水に溶けない不溶性に変わります。

不溶性に変化することで、タンニンが口の中の水分に溶けなくなり、渋さを感じなくなるのです。

渋みが消えることで、柿本来の糖度が際立ち、甘さがしっかりと引き立つため、甘い干し柿ができるそうです。

【作り方】

①　ヘタと枝がついている部分を残して皮を剥く。

②　40～50センチの紐を準備し干物両端に柿をコマ結びで縛る。

この時枝の部分に紐を結ぶが折れないように注意し、必要な分作る。

③　沸騰した湯を鍋で沸かしておき、柿を5秒程つける。

④　雨が当たらない風通しの良いところに吊るして干す。

干してしばらくしたら清潔な手で軽く揉んであげるとよりおいしくなります。

※　たまにカビが発生していないか確認しましょう。もしカビが発生しているものがあれば念のため捨てるようにしましょう。

⑤　干してから約2週間すると食べれる状態になってきます。

干してから2週間の状態だと、外側は乾燥していますが、中身はとろとろの状態になってきますので、お好みのタイミングで食べてみてください。

干し柿は冷凍保存も可能なため、長期保存をして季節を問わず楽しむことができます。干し柿を使ったアレンジレシピを試すことで、干し柿の楽しみ方がさらに広がります。

干し柿のアレンジレシピは下記のリンクをご参考に作ってみてください！

⇩　⇩　⇩

干し柿のアレンジレシピ（クックパッド）

食べ方②　焼酎漬け

焼酎漬けという食べ方は、初めて聞く方も多いかもしれませんね。

しかし、昔から渋柿を焼酎漬けにしてでおいしく食べる方法が知られています。

市内でも焼酎漬けにすることを目的に百目柿を購入する方少なくありません。

焼酎漬けにすることで、渋柿がまるで甘柿のように甘くなります。

では、なぜ渋柿が甘柿のように甘くなるのでしょうか？

• 渋味を甘味に変える秘密

干し柿でご紹介した渋さの成分「タンニン」ですが、実は甘柿にもタンニンは含まれているのです！

しかし、なぜ渋柿は渋く、甘柿は甘いのでしょうか？

その秘密は柿の種にあります！

柿が成熟すると、種から「アセトアルデヒド」という成分が発生します。

このアセトアルデヒドが渋味の原因であるタンニンと結合することで、渋さを感じなくなり、甘みが際立つのです。

• なぜ焼酎で甘くなるのか？

ポイントは「アセドアルデヒド」です！

焼酎に含まれるアルコールが、渋かきの渋味の原因であるタンニンと結合するのです！

つまり、アルコールとタンニンが結合することで、渋味がなくなり、甘い柿が出来上がるという仕組みです。

十分に焼酎に漬け込むことで、とても甘くて美味しい柿が出来上がります。

【作り方】

①　柿をきれいに拭いてください。この時、水洗いはやってはいけません。水洗いをするとヘタの部分に水分が残り、カビが発生します。

②　お椀などに焼酎を入れ、柿のヘタがついている部分を焼酎に浸けます。

③　大きめの蓋ができるタッパーなどにビニール袋を敷き、柿を並べる。並べ終わったら袋の口を輪ゴムで止めタッパーのふたを閉める。（作る量が少ない場合はタッパーに入れなくてもよい）

④　2週間ほど涼しいところに置いておく。10日過ぎた頃に味に変化があると思われます。

百目柿が買えるところは…

2024年も、道の駅つるの直売所では山梨県産の百目柿が出荷予定となっています。

百目柿は季節限定商品なのでお早めにどうぞ！