生産者さんインタビュー:道の駅つるを陰から支える 農業へのまっすぐな心意気(小林紀江さん:前編)
2022年からの新しく始まった、道の駅つるの生産者さん方へのインタビュー企画!
今回は第三回目(前編)です。
第三回目は、「梅干し」、「たくあん漬」などの加工品や、「ちぢみほうれん草」などのお野菜を作られている小林紀江(こばやしとしえ)さんにインタビューさせていただきました。
小林紀江さんのプロフィール
小林紀江(こばやしとしえ)さんは、道の駅つる生産者組合の副組合長をなさっています。紀江さんは女性初の副組合長で、道の駅つるのために心置きなく尽力してくださっています。
出身は道志村で、東京や都留で勤めを終えた後に農業を始めたという紀江さん。農業について何も分からないところからのスタートでたくさんの苦労があったそうですが、持ち前の明るい性格で何事も乗り越え、現在の役職を務めるにまでなられました。
そんな明るくてガッツのあるお人柄は、取材をさせていただく中でもひしひしと感じられました。インタビュー前編である本記事では、取材をさせていただく中でとても魅力的に感じられた紀江さんの「お人柄」にフォーカスしてみました。
目次
サービス精神旺盛な紀江さん
取材をさせていただいたのは雲一つない晴天の日でした。紀江さんの車に引率されて案内されたのは、ご自宅から離れたところにある畑。そこでは「ちぢみほうれん草」や玉ねぎなどが育てられていました。
たくさん育てられていたちぢみほうれん草を取材陣4人に持ち帰るように促す紀江さん。
「ここの畑、しっかり蒔いた種はあまり大きく育たなかったのに、この辺にパラパラっと余った種を置いておいたらそれが立派に育っちゃってさ。捨てりゃあ出る。蒔きゃあ出ない。って皮肉なもんだよね。」
「たくさんあるから、みんなで分けて持っていきな。食べてみて。」
「たくさん持ってけばいいよ。よく洗って食べてね。」 |
紀江さんと一緒にちぢみほうれん草を収穫した後、紀江さんはそのちぢみほうれん草を袋一杯に入れて持たせてくれました。サービス精神旺盛な紀江さんにとても心が温まった取材陣でした。
紀江さんと農業
袋一杯のちぢみほうれん草を抱えて次に向かったのは、紀江さんのご自宅でした。ご自宅の外にある洗い場に水を溜め、収穫したばかりのちぢみほうれん草をひとつひとつ洗いだす紀江さん。晴天とはいえ、冷たい水の中でちぢみほうれん草をひとつひとつ洗うにはまだ寒い時期でした。
「ちぢみほうれん草はさ、縮んでいるからやっぱり洗うのが大変だよ。裏側の土を落とさなきゃないでしょう。手が冷たいし、人の手も借りたいよ。」 |
–野菜作りは紀江さんが主にやられているのですか?
「そうだよ。何年も私がやってるよ。旦那も私ももう退職しているけど、私がほとんどやっているんだ。」 |
–紀江さんの農業への「やる気」はどこから来ているのですか?
「欲と二人連れ。欲が深いんだよ。稼ぎたいんだ。だってお金結構必要だよ。働かなきゃ。」 |
リアルな答えをズバッと断言する紀江さんの思い切りに、つい一同笑ってしまいました。欲がなければ続けていけないものもありますよね。包み隠さず本音を言う紀江さんがなんだかかっこよく見えました。
「それにやっぱり(道の駅や直売所に)行かないと寂しいよ。直売所は前に勤めをしてて今は辞めたけど、そこには17、8年くらいずっと行ってる。」 |
欲と二人連れだと言う紀江さんでしたが、農業を通した人との関わりも原動力となっているようです。紀江さんが農業をする理由は、欲よりも何よりも、「人」や「繋がり」が大きいのかもしれませんね。
※紀江さんがひとつひとつ水で洗ってくださったたくさんのちぢみほうれん草。
紀江さんが農業を始めたきっかけ
–紀江さんが農業を始めたきっかけは何だったのですか?
「勤めを辞めてすぐは農業はしていなかったよ。でも亡くなったおじいさんの畑を草だらけにすると周りの人に悪いじゃない。放っておくと小動物や虫も入るのよ。これでは周りの人に申し訳なくて、それで農業を始めたんだよ。」 |
–責任感を感じられていたのですね。農業の知識は元々あったのですか?
「全くないよ。やり方も知らない。でも周りの人がやってるところに行ってそれを一生懸命見てればいいのよ。誰も口では教えないからさ。ああやるのかって思って、それで一生懸命覚えたんだよ。」 |
「つい頼りたくなる」人柄
–紀江さんは組合の役員などをよくやられていますよね?
「そうだよ。一回任せられると抜けられないんだ。でもね、頼まれるとやってあげなくちゃって思っていろいろやってしまうんだよ。」 |
道の駅つる生産者組合の副組合長を務めている紀江さんは、他にもたくさんの役職が回ってくるそう。ついみんなが頼りたくなってしまう人、それが紀江さんです。物事はズバッと合理的に考え、常に地域や人のことを思いながら、先頭に立ってグイグイ周りを引っ張ることのできるパワフルなお人柄が、信頼に繋がっているのだろうと感じました。
以上、紀江さんの素敵な「お人柄」を特集させていただきました。後編では紀江さんが作られている「梅干し」や「たくあん漬」などの加工品について伺いましたので、ぜひ後編もお楽しみに!
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この記事を書いた人
はじめまして!ライターのななかです!記事をお読みいただきありがとうございます!都留ってどこにあるんだろう、一体どんなまちなんだろう、そう思われた方が多いでしょう。たくさん都留の魅力を発信していきますので、少しでも都留について知っていただけたら嬉しいです!記事を読んで都留に興味が湧いた方はぜひ一度お越しください!お待ちしております!