山梨の伝統工芸品 お土産と体験工房情報も
この記事では、山梨の伝統工芸品のご紹介と、伝統工芸品のお土産の購入場所や体験工房の情報をご紹介いたします。
山梨の風土や暮らしの中から生まれ、山梨県民の生活に根付いてきた12種類の伝統工芸品。職人の確かな「業」は現代にも受け継がれ、モダンなデザインに応用されたお土産や工芸体験も人気です。
目次
山梨の代表的な伝統工芸品12品目のご紹介
山梨県に400年以上も前から伝わる革工芸品です。
印度(インド)装飾革が幕府に献上された際に名づけられたいわれ、華麗な色に刺激され後に国産化されたものを印伝と呼ぶようになりました。
鹿革は体になじみ、強度を備えていることから武具にも使われ、戦国時代には武将たちの勇士を飾ってきました。しなやかな鹿革に漆で模様付けする独特な加工方法で、使い込むほどに手に馴染み、愛着が増します。
伝統的な柄に加えておしゃれに使える柄やデザインも多く、世代を問わず人気です。山梨県民はお財布やカードケースなど、ふとした時に印伝を愛用している姿が見受けられます。
甲州水晶貴石細工(スイショウキセキザイク)
※画像はイメージです。
約1000年前、昇仙峡の奥地金峰山で水晶の原石が発見されたことが甲府での水晶細工の起源です。
鉄板の上に金剛砂(こんごうしゃ)をまいて水晶を磨く方法を考案したのが水晶細工の始まりでしたが、江戸時代には水晶研磨の技術が高められ、明治時代にかけては水晶に細やかな細工を施す技法が生まれました。職人の養成にも力を入れることで、産地として確立されていきました。
硬度が高く加工には大変時間がかかり、水晶や瑪瑙(めのう)、翡翠(ひすい)などそれぞれの石がもつ個性を見極める、まさに職人こそが成せる業で作り出されます。
甲州雨畑硯(アマハタスズリ)
※画像はイメージです。
約300年前に早川上流で発見された「雨畑真石(あまはたしんせき)」と呼ばれる石材を見つけた雨宮孫右衛門はそれから硯を作りました。
以来、硯づくりの研究を重ね、将軍一橋公に献上したことからその名が広く知られるようになりました。中国硯にも勝る良石として古来からその石質が高く評価され、現在までその高い品質・技術が伝承されながら作り続けられています。
雨畑硯は、水分の吸収が少なく、墨おりのよい優れた硯です。実用的な用途に関してだけでなく、芸術的作品としても高い評価を得ています。
甲州大石紬織物(オオイシツムギオリモノ)
※画像はイメージです。
西暦915年の古文書における「絹を朝廷に献上した」との一文が、最も古い郡内地域の織物についての記述とされています。
河口湖周辺では1000年以上前から織物が織られ、江戸時代末期には租税として物納されたり、富士山を崇拝する富士講の人々や行商人の手によって広く売り出されました。明治、大正のころに改良が重ねられ、現在の大石紬となりました。
大石紬は軽く柔らかく、それでいて丈夫で、綿織物と紬織物の良さを併せもつ独特の風合いがあります。
甲州手彫印章(テボリインショウ)
※画像はイメージです。
印章業の発祥は、御岳山(みたけさん)周辺で良質かつ巨大な水晶鉱が発見・発掘されたことから始まりました。
御岳山に水晶加工工場が設立され、以来数多くの加工業者および加工技術が生まれ、彫刻技術に加え、水晶、ツゲ、水牛等の印材も続々と発達しました。特に水晶の手彫印章は、甲州以外の地域ではほとんど作られていないそうです。
現在では、国指定の伝統工芸品にも指定されており、職人たちが新しい印章ブランド「伝匠印(でんしょういん)」を誕生させるなど、注目が集まっています。
甲州武者のぼり/鯉のぼり
※画像はイメージです。
富士川流域を中心に昔から染物が盛んで、戦国時代の武士が背負う「旗指物(はたさしもの)」と、戦国時代に魔除けとして用いられていた「吹流し(ふきながし)」が、江戸時代後半に端午の節句の祝いののぼりとして立てられるようになったのが、武者のぼり・鯉のぼりの起源と伝えられています。
今も江戸時代から変わらぬ技法で、綿100%の生地に、下絵も当時のものを使用してすべて手作業・国産原料で染め上げています。富士川の冷たく清らかな水が独特の鮮やかな色合いを生み出します。
市川大門手漉和紙(イチカワダイモンテスキワシ)
※画像はイメージです。
起源は奈良時代にさかのぼり、奈良時代末の記録に紙の産地として甲斐の名が記されています。
市川三郷町市川大門には「天台宗百坊」といわれるほど多くの寺院があり、写経などに使用される和紙が、中世末からは武田家の御用紙(ごようし)として、江戸時代には幕府の御用紙として保護され発展しました。
現在は楮(こうぞ)、三椏(みつまた)を原料に美術紙、画仙紙などが漉かれていて、ぶどうの樹皮を用いた新しい紙づくりも行われています。
西島手漉き和紙(ニシジマテスキワシ)
※画像はイメージです。
武田信玄の任により誕生し、三椏(みつまた)という植物が原料になっています。画仙紙を全国に先駆けて販売し、爆発的に広まり西島和紙は大きく発展をしました。
独特な墨色の発色やにじみ具合、筆ざわりが特徴で、書道半紙やブライダル用紙、自然素材を取り入れた和紙の照明など、個性を活かした和紙の新しい世界を広げています。
西島和紙の魅力を広めるための「西島和紙まつり」では、地元の高校の書道部がパフォーマンスを披露するなど、街をあげて盛り上げようという熱気が伝わってきます。
甲州鬼瓦(オニガワラ)
※画像はイメージです。
南アルプス市若草の加賀美地区で江戸時代中期から作られている鬼瓦は、伝統技法を用いてすべて手作りしています。
この地域が御勅使川(みだいがわ)扇状地の先端で、粒子の細かい粘土層が露出していたこと、良質の水が容易に得られたことなどが発祥の理由として挙げられます。「土練り」や「かけやぶり」、「みがき」等の伝統技法で作られ、その表情はどんな災いでも追い払う気迫にあふれています。全て手作り製品の為、製品ごとに表情があり、鬼のもつ厳しさと能面のもつやさしさがミックスされた鬼面瓦として人気です。
大小さまざまなサイズがあり、一家のお守りとして好評です。
親子だるま
※画像はイメージです。
「親子だるま」の最大の特徴は、子どもを腹に抱えたユニークなデザインであること。約400年前、武田信玄の顔を模して作り始めたと伝えられています。
全国でも珍しい、親が子どもを思い制作されただるまです。
子どもの目は真ん中にあるのは、「未来に自分で目標を持ち真っ直ぐに歩んでほしい」という思いが込められているためで、子なのにヒゲがあるのは、「親よりも立派になってほしい」という親心が込められているためです。
山梨貴宝石(ヤマナシキホウセキ)
※画像はイメージです。
水晶の原石の発見から水晶細工が盛んになり、 しだいに水晶玉や水晶の置物に加え、ブローチ用の水晶のカットも始められ、研磨技術が大躍進を遂げました。その結果、リングやペンダント、ネクタイピンなどさまざまなものが作られるようになりました。
熟練した職人の手により、いくつもの工程を経て原石を輝きある貴宝石に仕上げていきます。国内でも最大の宝飾産地の発展を支える原動力であり、産業集積地ならではの優れた工芸品です。
富士勝山スズ竹細工
※画像はイメージです。
江戸時代初期から勝山地域に伝わるザル作りは、富士山二合目付近に自生しているスズ竹を使います。しなやかで香りが良いところが特徴とされる竹です。
甲斐国史にスズ竹細工の記述があり、それ以前より富士山からスズ竹を取って、笊籬(いかき)を作っていたことがうかがえる歴史ある工芸品です。
細かい目としなやかな曲線を描くザルは繊細でありながらしっかりとしていて、実用品としてもインテリアとしても人気です。
山梨の伝統工芸品をお土産として買える3スポット
道の駅つる
道の駅つるでは、道の駅つる限定の「甲州印伝」と「郡内織」の商品がお買い求めいただけます。
甲州印伝の名刺入れ
こちらは、道の駅つる限定のつる柄の甲州印伝の名刺入れです。
柄は「つるし」とかけた「鶴」をイメージした柄になっており、道の駅つるでしか買えない限定商品となっています。黒地の鹿皮に控えめな柄と漆の艶がシックな印象を与えてくれます。
色展開は白・黒・赤の3色です。
郡内織の各種商品
また、こちらは都留産の郡内織商品の数々です。
都留市は古くから織物の産地です。1600年代に徳川家光の重臣である谷村藩主秋元氏が三代に渡り、南蛮貿易でもたらされた絹糸の養蚕から機織まで推進した歴史があります。縞模様が特徴で、江戸から京都・大阪まで「郡内縞(ぐんないじま)」として人気を博しました。
道の駅つるで特に人気な商品は郡内織のネクタイ。
郡内織らしい歴史を尊重した柄から、ユニークな富士山柄、日常生活に馴染みやすい柄まで多種多様のネクタイを取り揃えております。郡内織のネクタイは上品で渋みがあり、伝統工芸品を生活に取り入れやすい逸品です。
ほぐし織り
ほぐし織りの御朱印帳
もうひとつ、都留の特徴的な織物が「ほぐし織り」。
100年以上歴史があり、タテ糸にだけ柄をつけてから織る技法です。「ほぐし」ながら仮織りの糸を抜き、本織りで記事に仕上げる非常に手間のかかる織物です。そうすることで、柄の輪郭がかすれ、優しい印象を与えます。
かいてらす(山梨県地場産業センター)
こちらには、山梨県の地場産業製品が一挙に集まっています。
上記で紹介した伝統工芸品もほとんどがこちらで購入できます。また、毎年「ネクタイ一万本祭り」など、ユニークなイベントも開催され、山梨の伝統に触れる入り口のような施設です。
「ネクタイ一万本祭り」では、道の駅つるでもネクタイを陳列させていただいている「有限会社 リード」さんも郡内織のネクタイを出品なさっています。
〈詳しくはこちら〉
富士大石ハナテラス
こちらは、富士山と花を眺めながら山梨のグルメやお土産選びが楽しめる複合型施設です。
「 □○堂 富士大石」では天然石やガラスを使ったアクセサリー、「富士桜工房」では郡内織、「しるし」では甲州印伝、「めでたや」では市川和紙を使用した雑貨を扱っています。どれも現代の生活に馴染む、おしゃれなデザインです。
こちらの施設からほど近い「大石紬伝統工芸館」では郡内織に加え、スズ竹工芸も取り扱っています。
〈詳しくはこちら〉
http://www.fujioishihanaterasu.com
山梨の伝統工芸を体験できる3施設
山梨ジュエリーミュージアム
甲府の中心街にある、山梨の宝飾産業の歴史が知れる山梨ジュエリーミュージアムには、体験工房が併設されています。
山梨で活躍する職人さんに教えてもらいながら、宝石研磨と貴金属加工の体験ができ、自分で作ったアクセサリーは持ち帰ることができます。
〈詳しくはこちら〉
https://www.pref.yamanashi.jp/yjm/
なかとみ和紙の里
身延町のなかとみ和紙の里では、全国の和紙2500種類が買えるほか、紙漉き体験ができます。
紙漉きは、うちわ漉き、灯り漉き、字漉き、凧漉き、タペストリー漉き、ブライダルペーパー作りの6メニューから選べて、自分で作った雑貨類は和紙を生活に取り入れるヒントを与えてくれます。
〈詳しくはこちら〉
https://www.town.minobu.lg.jp/washi/
市川三郷町地場産業会館
「日本一のはんこの里」といわれる市川三郷町の地場産業会館では、篆刻(てんこく)体験が楽しめます。
はんこを彫る材料は、ロー石と言われる柔らかい石で中国から取り寄せた天然ものの貴重な石です。彫る文字は2000年以上も前の字で、自分の名前の歴史を感じることができます。体験の時間は1時間ほどで、はじめに彫刻士の先生がはんこの歴史のお話や彫り方の説明後、鉄筆を使い彫り方の指導をしてくれます。
〈詳しくはこちら〉
https://www.facebook.com/hanko.rokugo/
もっと山梨らしさを感じるには…
道の駅つるのレストランでは、山梨の郷土料理である「ほうとう」や「鳥もつ煮」、ブランド豚の「富士湧水ポーク」を使用したメニューをご用意しております。
甲州名物ほうとう
麵はこだわりのぶったぎりほうとうを使用。別添えの手作り辛味ときんぴらがアクセントに。辛味は直売所でも販売しています。
甲州B級グルメ「とりもつ」
山梨に起こしの際はぜひ一度おめしあがりください。
自然薯とろろ飯 湧水ポークステーキ定食
当店名物富士湧水ポークと都留市産のじねんじょを味わえる定食です。
山梨らしさをさらに堪能するために、ぜひ道の駅つるのレストランをご活用ください。
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この記事を書いた人
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