【商品化】「土偶」がかわいいレプリカ&ブローチに!【都留市の出土品】
道の駅つるでは(株)都留市観光振興公社による、かわいい「中谷土偶(なかやどぐう)」がモチーフの商品の販売が始まりました!
最近では有名な俳優さんも虜になっている縄文時代の「出土品」。古代のロマンを感じたい出土品のマニアの方にも、そうじゃない方にもぜひ見つけてほしい歴史の断片が、かわいいブローチ(ピンバッジ)になりました。
また都留市では、土偶を忠実に再現したレプリカも製作され、ふるさと納税の返礼品としても出品されています。
目次
「中谷土偶」とは?
(出典:都留市教育委員会)
<参考ページ>
山梨県都留市では数多くの縄文時代の出土品が見つかっています。中でも、「道の駅つる」近くの小形山の中谷遺跡からは「ほぼ原型を留めた」状態の土偶が発掘されました。これが「中谷遺跡発掘土偶」です。
「中谷遺跡発掘土偶」は通称「中谷土偶」と呼ばれ、なんだか可愛らしいハート型の頭部の左右の端には、円盤状の「耳飾り」のようなものが表現されていることから「耳飾りを付けた土偶」とも呼ばれています。こちらの記事では、親しまれている呼称のひとつ「中谷土偶」と呼んでご紹介をしていきます。
こちらの中谷土偶は、縄文時代の習俗をうかがい知ることができる大切な文化財として山梨県の有形文化財の指定を受けています。特に、耳飾りが表現されたものは全国的にも非常に珍しい土偶と言われており、頭部の下部分や胴体の背面には「入れ墨」と思われる隆起が確認できます。現在はミュージアム都留に展示・保存されています。
出土の背景
実はこちらの土偶の出土自体は、約50年前。中央自動車道が開通し、大月ICから河口湖まで繋がる分岐ルートの工事の計画が始まった1972年のことです。農道の拡幅工事のための調査と、遺跡のある場所への家屋の建設工事が行われている際に発見されました。
なぜ今商品化?
50年前に出土した土偶を、なぜ今ブローチとレプリカとして商品化・販売しているのか、疑問に思う方も多いかもしれません。その理由は以下の背景からわかります。
近年は、新型コロナウイルス感染症の拡大による社会の混乱、ロシアのウクライナ侵攻と、世の中が「不安」と「悲しみ」と「怒り」に満ちた状況です。
一方で、約1万3千年前の縄文時代は、平穏で持続的な社会であったと考えられています。諸説はありますが、そんな平穏な時代に人々が呪術で豊かな実りの実現を望んだ際に利用されたとされるのが「土偶」です。今回のブローチとレプリカは、現代人の心や今の社会が少しでも癒され、「不安」の解消、「悲しみ」の減少、「怒り」の沈静化に繋がればという願いを込めて製作されました。
かわいい土偶の「ブローチ(ピンバッジ)」のご紹介
そんな「中谷土偶」が親指サイズの小さなブローチになりました。小さくても、中谷土偶の特徴はそのまま細かいところまで再現され、なんとも言えない優しげな表情や薄型の身体から漂う「ゆるい」オーラにほっこりします。
こちらのブローチは、作家さんが「手びねり」でひとつひとつ手作りで製作しており、主張が激しくない上にピンバッジなので、フォーマル・カジュアルファッションの別や、老若男女を問わずお使いいただけます。身につけず、デスクの上に置いておくだけでもかわいらしいですね。
ハート型の顔のブローチと、全身をかたどったブローチの2種類を「道の駅つる」と「ミュージアム都留」にて販売しております。
道の駅つるでは、一つ1,000円(税込)で販売しています。
ふるさと納税返礼品にもなっているので、ぜひご検討ください。
<ふるさと納税ページ>
中谷土偶のレプリカのご紹介
「中谷土偶」を忠実に再現したレプリカもふるさと納税返礼品として製作されました。
こちらの製作には、「東京芸術大学COI拠点」特任准教授の小俣英彦先生が携わっています。型取りには高精度3D スキャナーを使用し、計測データをもとに3Dプリンターで原型を製作し、硬質石膏により注型を行っているとのこと。
彩色は、歴史的彩色の研究家にお願いし、いわゆる市販の「塗料」などでは出せない絶妙な色合いを表現しています。古来出土品である「土偶そのもの」なのではないかと思わせるほどの赤や茶、黒っぽい彩色まで見事に再現されています。
顔
ハート型のお顔と大きな耳飾りが特徴です。
背中
髪の毛なのか、はたまた耳なのか、後頭部は波状に隆起しています。
また、背中には刺青を表現したと思われる紋様が入っていることがわかります。
こちらは、ふるさと納税返礼品のみでの取り扱いです。
現在すでに製作されているのは限定20体で、それぞれの台座にシリアルナンバーが記されています。
ピンバッジ2種ともセットになっているので、中谷土偶の虜になった方に強くオススメしたい返礼品です。
<ふるさと納税ページ>
土偶に込められた「これからの都留市」への願い
この記事を製作するにあたってインタビューにご協力いただいた(株)都留市観光振興公社の宇佐美さんは、こちらの土偶商品の販売について「都留市の観光における新しいチャレンジである」と話します。
都留市は豊かな自然や湧水、かつて城下町だったことで有名ですが、縄文時代の遺跡や出土品が数多くあることはあまり知られていませんし、都留市内の人でも、この中谷土偶のことを知る人は少ないそうです。
このかわいい土偶の商品化を端緒に、都留市内の方には都留市の新たな魅力を発見してもらうきっかけに、都留市外の方々には都留市を知ってもらうきっかけや観光のきっかけになれば、と願いを込めて今回の商品化へ至ったそうです。
中谷土偶の魅力が広まり、中谷土偶が駅前のモニュメントになる都留市の未来を、筆者も少し「見てみたいかも」と思っています。
- とても役に立った! ()
- 参考になった ()
- もう少し詳しく知りたい ()
この記事を書いた人