妙にリアルでかわいらしい。道の駅つるの人気商品「カニペンホルダー」
つぶらな瞳で一生懸命にはさみを持ち上げるこちらのカニ。
実はペンホルダー(ペン置き)なんです。
SNSで話題に火が着き、人気を集め続けている道の駅つるのヒット商品「カニペンホルダー」。リアルな質感と一生懸命な姿が愛らしいです。
道の駅つるは全国でも珍しい、「カニペンホルダー」の実店舗での取り扱い店で、その理由はなんと、作者さんが都留市出身・在住で活動されているということにあります。
今回は、カニペンホルダーのご紹介と、作者の田中稔さんへのインタビューです。
目次
カニペンホルダーのご紹介
カニペンホルダーに実際にペンを置いてみた様子がこちらです。体格に見合わないサイズのペンでも、健気に、たくましく支えてくれます。ポスターに使うような、太い筆先のマジックペンを置いても、安定感抜群です。
道の駅つるで販売されている「カニペンホルダー」
道の駅つるでは、細かい色味や表情の違いをご覧になりながらお好みのカニペンホルダーをお選びいただけます。中には色違いのカニペンホルダーを何色も購入されるファンの方もいるそうです。
根強い人気のあるカニペンホルダー。
玄関先やデスクの上に一匹、いかがでしょうか?
ぜひお気に入りの一匹を見つけに道の駅つるへお越しくださいね。
作者 田中稔さんに、制作の経緯を聞きました。
–いつから創作活動を始められたんですか?
幼稚園とか小学校とか、そんな小さい頃から粘土やプラモデルが好きで。「カニペンホルダー」を思いつく以前からずっと趣味で続けていたら、いつの間にか仕事になりました。学校を出てからフリーの造形屋として細々と依頼されたフィギュアを作っていましたが、リーマンショックで仕事がなくなり都留の実家に戻って居候になりました。しばらくしてアルバイトでお金を溜めながら本格的に創作活動に力を入れ始めました。
–制作へのこだわりはなんですか?
デザイン×造形×実用性のバランスです。人って「かわいい」だけじゃ手が出ないけど、「かわいい」ものが「使える」と思ったら買いますよね。だから実用性の優先度は高いですね。それから、造形屋だったのでやっぱり造形にもこだわってしまいます。
とはいえ仕事だから、自分が作りたいものを作ってるというより需要があるものを作っている感覚でいます。
カニペンホルダーの着想について
–カニペンホルダーはどのように作っているのでしょうか?
制作は全て自分一人で行っています。まず、3Dソフトで原型を作り、3Dプリンターで出力します。量産は中国で行い、塗装は自分でおこなっています。
–どのようにしてカニペンホルダーは生まれたのでしょうか?
今から5年ほど前、いわゆる「オタク」の世界では歴史ブームがあって、コンビニでも食玩商品(おまけのおもちゃ付きスナック菓子)として、あるアニメのキャラクターをモチーフにした刀が、刀置きといっしょによく売られていました。それを見たときに、これをカニでやったらかわいいんじゃないか、ウケるんじゃないかと思って最初は刀置きとして作りました。創作のきっかけはいつも目の錯覚から始まります。
カニは個人的に昔から好きで、小さい頃も都留に流れる桂川にいるサワガニをよく観察していました。
言われてみればカニに見える刀置き
予想は当たって、コミケなどのイベントに持っていくと、普通の刀置きよりかわいく刀が置けると話題になりました。ある時、用途が狭すぎる、これにペンを置きたいと言ってくれたお客さんがいて、爪の角度を広げて再販しました。そうすると、漫画家さんにウケて、たちまちTwitterで拡散され一躍人気商品となりました。高価なタッチペンをかわいく、安全に置けることで、創作の世界での需要を掴めたのでしょうね。
それからはコミケやオリジナル商品のみの出店のコミティア、デザインフェスタなどのイベントに出店し、だんだんと人気を集めているんです。
カニペンホルダーから広がる世界
–カニペンホルダーの制作を始めてどんな影響がありましたか?
日本国内では模倣品が出回るほど話題になりました。全国各地のセレクトショップに取り扱いもしていただいていて、神戸の雑貨屋や和歌山の「エビとカニの水族館」のお土産としても置いてもらっています。
また、最初は取引先としてだけ行っていた海外ですが、現地のイベントに出店してみたところ反響があり、今では中国、台湾、アメリカ、ドイツなどの海外のイベントにも出展のために飛び回っています。特にアメリカなんかは、日本人より感情表現が豊かですよね。こういうイベントも家族や恋人を連れてきて、みんなしていい反応をくれるのが嬉しくて。最近では、日本に輸送する港まで自分でレンタカーを借りて製品を運んで、そのついでに現地のホステルに泊まって、共同スペースのルームメイトと話しながらその国ならではの料理とお酒をいただくのが楽しみです。
山梨県 都留市での創作活動について
–カニペンホルダーの制作を通して、大切に感じていることがあれば教えてください。
長い人生を考えたら、「好きなことに熱中できる」時間がある方がいいと思っています。その点で都留は物価が低いからお金は貯めやすく、落ち着いた環境で創作に打ち込めて、それを東京に持っていくのも簡単でとてもいい環境だと思っています。
今では副業もできる時代になってきましたよね。平日は仕事して、休日は創作やイベント出展で都内に行き、趣味でもお金を稼ぐ、なんて生活も夢じゃないと思います。若い人にはそんな風に自分の好きなことに打ち込む時間を作ってほしいなと思います。
好きな創作活動が、自然にお仕事にもつながっている。素敵なお話ありがとうございました。
田中さんのその他の作品や便利グッズは、以下SNSや、「ahnitol」で検索いただくことでご確認いただけます。
ahnitol公式Twitter
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