生産者さんインタビュー:都留の特産野菜「水かけ菜」の栽培にかける思い(小林和代さん:後編)
「都留文科大学」の学生さんのご協力のもと2022年よりスタートした、道の駅つるの生産者さま方へのインタビュー企画。
今回は、第二回目(小林和代さんへのインタビュー)の後編です。
後編では、小林さんに水かけ菜の美味しい食べ方をお伺いしました。併せて道の駅つるがおすすめする食べ方と、「水かけ菜の蕾」についてもご紹介します。
目次
水かけ菜の食材としての特徴
水かけ菜は触ると硬くてチクチクしていますが、火を通すと柔らかくなり、シャキシャキした食感が残ります。
水かけ菜のおひたし
気になるお味は、甘みと、菜の花のような特徴的な苦味がほのかに感じられます。クセがないため食べやすく、おひたしにすると水かけ菜そのものの味が際立ちます。
沸騰したお湯に約30秒。緑が濃くなり、茎の部分が少し柔らかくなったら火通りはOK。
シンプルなおかかと醤油のおひたし
筆者は水かけ菜のほのかな苦味とからしの風味が合う、からし和えが気に入りました。
小林さん伝授、美味しい食べ方
–水かけ菜は、どんな料理にして食べるのがおすすめですか?
「都留の人はよくお雑煮に水かけ菜を入れるんだよ。縁起もいいから。お餅の上に水かけ菜を乗せることで名(菜)をあげるとされてるのよね。あ!油揚げを入れてね。」 |
水かけ菜のお吸い物(お餅を入れればお雑煮に)
小林さんのポイントは油揚げを入れること。さっぱりした水かけ菜と油揚げのコクがよく合います。
「あとは味噌汁だね。冬の野菜のない時期に野菜が食べれるのがいいよね。青い色もよく映えるし、温まる。」 |
水かけ菜の味噌汁
冬でも菜っ葉の入ったお味噌汁が飲めるのは嬉しいポイント。クセのない水かけ菜はどんな味噌汁の具材とも相性がいいです。
「他には、お豆腐と和える白和えが美味しいよ。ごま和えも道の駅つるのイベントでふるまったね。」 |
水かけ菜の白和え
白和えは、水かけ菜の苦味がまろやかになり、さらに食べやすくなります。
水かけ菜のごま和え
ごま和えは砂糖を少し使ってあまじょっぱい味付けに。ごまの香りと水かけ菜のほろ苦さとのバランスが良いです。
水かけ菜はどんな料理にも合わせやすく、都留の人々の日常の「食」に根付いた野菜になっていることがわかりました。
道の駅つる おすすめの食べ方
こちらでは、道の駅つる内の水かけ菜販売コーナーのポップでも紹介している、水かけ菜レシピをご紹介します。
水かけ菜チャーハン
水かけ菜がどんな食材にも合わせやすいことを実感する一品です。茎の部分のシャキシャキとした食感がアクセントになります。
水かけ菜とウインナーのオイル炒め
ウインナーやエリンギなどの具材を先に炒め、大きめに切った水かけ菜は後入れしサッと炒めるのがポイント。そうすることで水かけ菜のシャキシャキ食感が際立ちます。
生ハムと水かけ菜のペペロンチーノ
生ハムの塩気と水かけ菜のほのかな苦味との組み合わせで大人な味わいに。パスタと水かけ菜は一緒に茹でてしまって、市販のパスタソースを和えるだけのお手軽レシピです。
販売中!「つぼみ」がついた水かけ菜は隠れた人気商品
–水かけ菜はいつまで食べられるのですか?
「一般的にはお雑煮を食べるくらいの季節がピークで、2月ごろまでは出荷できるよ。3月ごろからはつぼみを出荷するんだよ。」 |
–つぼみも食べられるのですか?初めて聞きました!
「春になるとつぼみがついた水かけ菜を出荷するんだよ。つぼみが一番人気かもしれないくらい。からし和えなんかにすると美味しいよ。一つの株にいくつかつぼみが付くんだけど、一番上についているつぼみが一番おいしいって噂だよ。」 |
小林さんが、からしあえにすると美味しいという「水かけ菜のつぼみ」。つぼみが付いた水かけ菜の出荷は収穫量の面から珍しく、アブラナ科特有の風味をより一層楽しめます。
「多くの人に水かけ菜を知ってもらいたい」
–最近はテレビなど大きなメディアにも取り上げられるなど、水かけ菜は注目を集めていますね。
「よくテレビ番組や新聞記事に取り上げられていて嬉しい限りだね。今回はWebの記事ということで、水かけ菜を気になって調べてくれた人にもっと詳しく知ってもらえる機会になると思って取材を引き受けたんだよ。取材を受けるのは初めてで緊張していたんだけどね。」 |
「コロナ前には道の駅つるの試食イベントも楽しみにしていたよ。水かけ菜を使った料理をふるまって、試食してくれたお客さんが実際に目の前で水かけ菜を買って行ってくれるのを見られる機会だったんだけども。今はそうはいかないから。今回の記事を読んで水かけ菜を食べてみようと思う人が増えてくれると嬉しいね。」 |
都留市で水かけ菜が作られるようになった先代のときから、市内で親しまれるようになった現在まで、ずっと水かけ菜作りに携わって来た小林さんのご家系。
「多くの人に水かけ菜を知ってほしい」という気持ちが人一倍大きい理由がよく伝わる取材になりました。小林さん、どうもありがとうございました!
都留市で長年親しまれてきた水かけ菜の魅力は、この小さなまちだけにとどまらず、この記事で多くの人に知れ渡るきっかけになれば嬉しいと私たちも思います。
次回の生産者さんインタビューもご期待ください!
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