生産者さんインタビュー:熱意あふれる若き就農者(角井頼功(かくいらいた)さん:後編)
道の駅つるにお野菜や加工品を出荷している生産者さん方に、さまざまな角度からインタビューをする「生産者インタビュー」企画。
今回は第四回(角井頼功さんへのインタビュー)の後編です。
前編では角井さんの農業へ対する思いやお人柄について伺いました。後編では、角井さんが作っていらっしゃるお野菜や加工品についてご紹介します。
目次
道の駅つるに出荷しているお野菜や加工品のご紹介
ブロッコリー
−角井さんは主にどんなお野菜を作られているのですか?
私は主にブロッコリーととうもろこしをメインで作っています。他にもキャベツやさつまいも、玉ねぎなどを作っていますが、メインで作っているのはブロッコリーととうもろこしですね。 |
−そうなのですね。角井さんが作っていらっしゃるブロッコリーにはどんな特徴がありますか?
私が作っているブロッコリーは寒暖差が影響してとても甘く育つんです。なのでブロッコリーの花の部分だけでなく茎も美味しいんですよ。 |
−おすすめの食べ方はありますか?
シンプルに、茹でてサラダにするのが美味しいですよ。ブロッコリーの甘さがそのまま楽しめておすすめです。 |
とうもろこし
続いて、ブロッコリーと同じくメインで作っているというとうもろこしについてお話を伺いました。
−とうもろこしは何の品種を育てているのですか?
複数の品種を育てていますが、現在出荷しているのは主に「恵味(めぐみ)ゴールド」という品種です。きれいな黄色としっかりした甘味が特徴の品種ですね。 |
−とうもろこしを作る上で苦労したことなどはありましたか?
実は初め無農薬でとうもろこしを作ってみたのですが、全く育たなかったんですよね。本当は無農薬で作りたかったのですが、断念して、今は試行錯誤の毎日ですね。
それに、とうもろこしはすごくたくさんの品種があるんですけど、それも一度育ててみないとそれぞれどう育つかが分からないんですよ。なのでやはり常に試行錯誤ですね。 |
−そうなのですね。角井さんは農地を借りてお野菜を育てているとおっしゃっていましたが、畑に関して苦労したことはありましたか?
ありましたね。畑を借りているので、育ててみないとその畑の土壌の状態がわからないんですよ。なので、今の畑を見てもらうとわかると思うのですが、土壌の栄養状態が良いところと悪いところでとうもろこしの「背の高さ」が違うんです。土壌が悪いと、他のところよりもとうもろこしが低く育ってしまうんですよ。 |
−いろいろな苦労があったのですね。おすすめの食べ方があれば教えていただけますか?
収穫してすぐに茹でるか、ラップをして電子レンジでチンするのが一番です!火傷してしまうくらい熱々な状態で食べると、甘くて美味しいですよ。調味料はあまり使わない方がとうもろこしをより美味しくいただけると思います。 |
キャベツ
インタビュー時、道の駅つるのおかいもの直売所には角井さんがメインで作っているというブロッコリーの他にもキャベツが並べられていました。そこで、角井さんが作っているキャベツのおすすめの食べ方を教えていただきました。
ごま油と塩で和えて食べるのがおすすめですよ。煮込むと甘さが飛んでしまうんですよね。生で食べるか、サラダで食べるか、どっちかですね! |
干し芋
−角井さんはお野菜の他に干し芋も出荷なさっているそうですが、干し芋を作る際に注意していることはありますか?
しっとりとした食感に仕上げるよう意識しています。そのために今は「紅はるか」だけを使っているんです。と言うのも、昔は「玉豊(たまゆたか)」のような固めのさつまいもを加工した干し芋が主流だったのですが、今はむしろしっとり系の干し芋の方が主流になってきているんですよ。なので今はしっとり食感が魅力の「紅はるか」を使っています。 |
−さつまいもを干し芋に加工する上でのこだわりなどはありますか?
大体干し芋はふかすのにスチームを使って一気に仕上げるんですけど、実はさつまいもってアクが結構強いんですよね。なので私の場合は鍋で煮ているんですよ。煮ると結構アクが取り出せるんですよね。そしてその後に切って乾燥させます。
都留市の良いところが富士吉田ほど寒すぎず大月ほど暖かすぎずというところなんですよね。なので低温乾燥ができるんですよ。十数度という低い温度で乾燥させるので甘さが飛ばないんです。 |
−都留の気候が干し芋をより美味しくさせているのですね。
そうなんです。私の作っている干し芋はここ都留でしか作れないんですよ。ちなみにですが今のところ私の作った干し芋はまずいと言われたことがありません!10月下旬ごろからまた始めるので、ぜひ食べてみてくださいね。 |
現在試作中のお野菜
インタビューを進めていく中で、出荷しているお野菜の他にも、試作品として加工用トマトを作っているというお話をしてくださいました。
実は今年、加工用トマトと言うんですかね、支柱なしで地面で栽培できるトマトを試しに育てているんですよ。乾燥機があるのでドライトマトを作りたいと思っていて。トマトがいっぱい余ったらケチャップなども作りたいと思っています。 |
−そうなのですね。加工用トマトはどんな味がするのですか?
全く青臭くなくて、生で食べてもケチャップのような味がしますよ! |
−小さい頃からトマトが好きなので、ぜひ食べてみたいです!
そうなんですね!ぜひ食べていただきたいです。ですが実は私は元々トマトはあまり好きではなかったんですよ。トマトというよりそもそも野菜自体好きじゃなかったんです。
ですが、ある時北杜市のある有機農家で生のピーマンを食べさせてもらったんですが、それがすごく美味しかったんですよね。全然苦くなくてみずみずしかったんですよ!それがきっかけで野菜が食べれるようになったんです。 |
−それは驚きです!
実はとうもろこしを作っているのは、自分が食べられるからなんですよ。干し芋も、自分が干し芋が大好きなので作ってます(笑)! |
※加工用トマトを育てている畑の周りには、その他にも赤いキャベツやじゃがいも、イチジク、カブ、パプリカなど、たくさんの試作品のお野菜が育てられていました。
−今年栽培してみたいお野菜はありますか?
カリフラワーを作りたいなと思っています。白とかオレンジとか紫とか、自分で色を揃えて出荷用に出したいと考えています。来た人が写真を撮りたくなるような、いかにも映えそうな感じで出したいですね。もし上手くできたら、来年も進めていきたいです。 |
−お話と、畑のご案内ありがとうございました!
前編・後編と、角井さんのお人柄や農業にかける思い、そして角井さんが作っているお野菜や加工品についてご紹介してきました。インタビューをする中でひしひしと感じたのは、角井さんの農業に対する熱い思いと「考えるのが楽しい」「野菜が好きだ」という姿勢でした。社会にまで視野を広げて農業について熱く語る姿に、取材班は終始脱帽でした。
今後の角井さんの挑戦も、楽しみに待ちたいですね。角井さん、どうもありがとうございました!
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この記事を書いた人
はじめまして!ライターのななかです!記事をお読みいただきありがとうございます!都留ってどこにあるんだろう、一体どんなまちなんだろう、そう思われた方が多いでしょう。たくさん都留の魅力を発信していきますので、少しでも都留について知っていただけたら嬉しいです!記事を読んで都留に興味が湧いた方はぜひ一度お越しください!お待ちしております!